メディア 連載

月刊アミューズメントジャパン(26年6月号)掲載

2026.05.25

TikTok広告の芯かとホールにおける新たなマーケティング戦略

デジタル広告の主戦場の変化とTikTokの台頭

  • デジタル広告の主戦場が大きく変化する中、TikTok広告が急速に存在感を高めている
  • 従来のSNS広告とは一線を画す特性を持ち、ユーザーの体験に溶け込む設計が特徴で、パチンコホールにとっても新たな顧客接点を創出する可能性を秘めている

TikTokユーザーの年齢構成(国内)

  • 10代・20代の利用率は66.4%・47.9%と高く、TikTokは若年層に日常的なメディアとなっている
  • 一方、30代27.3%、40代21.3%、50代20.2%、60代11.8%と年齢が上がるにつれ利用率は下がるものの、全世代に一定のユーザーが存在
  • つまりTikTokは「若者中心の媒体でありながらも、すでにマスに広がりつつある」段階にある

TikTokが支持される背景

  • スマートフォンでの視聴に最適化された「縦型ショート動画」というフォーマットの強さ
  • 短時間で直感的に楽しめるため、スキマ時間に自然と利用される構造
  • フォロワー数に依存しないレコメンドアルゴリズムにより、誰でもコンテンツが拡散される可能性がある点も利用拡大を後押し

TikTok広告の特徴:「押し付け感」のない接触

  • インフィード広告はユーザーが通常視聴している動画の流れに自然に挿入されるため、広告とコンテンツの境界が極めて曖昧である点が最大の特徴
  • TikTokはアルゴリズムによるレコメンド精度が高く、ユーザーの興味関心に基づいた配信が行われるため、効率的なリーチと高いエンゲージメントが期待できる
  • 検索広告は「まだ興味を持っている人にしか届かない」という構造上、新規層の開拓には向いていない
  • CMや紙媒体は接触率が低下し、若年層の新規流入は年々難しくなっている中、TikTokは若年層への数少ない有効な接点になり得る

パチンコ業界における意味:新規層への接触

  • 若年層にとってパチンコホールは「よく分からない場所」という心理的ハードルが存在し、機種訴求やイベント告知ではこの壁はほとんど崩せない
  • TikTokはレコメンド型アルゴリズムにより、ユーザーの明確な検索行動がなくてもコンテンツが配信されるため、「パチンコを知らない・行ったことがない層」にも接触可能(従来の広告では難しかった領域)
  • ただし全面的に自由化されたわけではなく、射幸性を煽る表現や直接的な来店訴求は禁止されており、従来型の広告手法は通用しない
  • だからこそ重要なのは「何を伝えるか」ではなく「どう伝えるか」——制約があるからこそブランドや体験価値の表現力が成果を分けるポイントになる
  • 近年の広告ポリシー見直しにより、一定条件下でホールもTikTok広告の活用が可能となった(従来はギャンブル関連業種への広告制約で出稿が実質困難だった)

TikTokの本質的な価値:認識の書き換え

  • 若年層マーケティングにおいて重要なのは、「知らないものを知る」「怖いものを身近に感じる」というプロセスを自然に生み出すこと
  • TikTokを通じて店舗の雰囲気や遊技の様子、スタッフの人柄などが日常の延長線上のコンテンツとして流れてくることで、パチンコホールへの認識そのものが徐々に変化していく

ホールでの具体的な活用方法

  • 直接的な集客ツールとしてではなく、興味喚起と心理的ハードルを下げるためのメディアとして活用することが重要
  • 店舗の内装や演出、音や光といった空間価値を動画で伝えることで「どんな場所か分からない」という不安を解消
  • スタッフ出演型のコンテンツで人の魅力を伝え、来店の心理的障壁を下げることも有効
  • 新台情報やイベントも単なる告知ではなく、地域情報や日常コンテンツと組み合わせてエンタメとして再構成することで視聴されやすくなり、「地域に根ざした存在」としての認知向上にもつながる
  • 重要なのは「広告を作る」のではなく「見たくなるコンテンツを作る」という視点

まとめ:新たな活用フェーズへ

  • TikTok広告は「体験を届けるメディア」であり、従来の広告とは本質的に異なる存在
  • 広告ポリシーの変化により新たな活用フェーズに入った今、この特性を正しく理解し戦略的に取り入れること——

Web版:アミューズメントジャパン公式サイト