2025.12.24

業績貢献型スタッフの重要な店内活動

こんにちは!リスペクトマインド(株)の武内臣介です。

11月のコラムでは【稼働が上がりにくい『今』、お店がやるべきこととは?】に関して、業績貢献型スタッフが身につけるべき内容を書きました。

内容は、
①増客プロセスのチェックと見直し
②戦略シナリオのチェックと見直し
③お客様体験価値ストーリーの見直し
というものです。

これは、新人の時代から学び身につけていくことで、若手の店長育成で欠かせない営業施策全体の把握と、繰り返し実践しながら学ぶことでレベルの高い営業施策を立案することができるようになります。

私の研修では、競争戦略やマーケティングを学ぶ中でも肝になる部分を盛り込み、最終的には“店舗営業ミーティング”という仕組みにして、次月や翌々月の営業施策を実際に考えながら実践で理解を深めます。

その結果として、業績貢献型人材の育成が実現していきます。

皆様の会社がどのような人材育成をしているかは分かりませんが、営業面に関する教育が店長や幹部社員の個人的なセンスや能力に依存している場合は、その人が居なくなれば商売で一番重要な営業面での人材育成が出来なくなります。

現在は何かをすれば簡単に数字の結果につながるような時代では無いので、昔の「実践しながら自ら気付き、自ら学んでいく」という教育では時間がかかりすぎて人材に求めている知識や技術は身につきません。

よって、『営業に必要な知識や技術、考え方を自社の教育カリキュラムにして業績貢献型人材を育成する仕組み』の構築が欠かせません。

ということで、前置きが長くなりましたが、前回コラムも是非ご参考にしていただければ幸いです。

今回は、【業績貢献型スタッフの重要な店内活動】についてお伝えしたいと思います。

『業績貢献型人材』の中で、実際に現場で活躍するスタッフの方々が『業績貢献型スタッフ』になります。

これは、アルバイトスタッフの方々にも実践してもらうことで、自店の業績を上げていく活動になります。

現在は少ないスタッフ数でお店を回している会社も多いと思いますが、実践しているお店ではとても重要で効果が高い活動になっています。

ホール商売の基本は“お客様と台のつながり”

増客プロセス設計では、集客段階の前に≪店舗を良い印象で知ってもらう≫という市場開拓の段階から考えます。

そもそも、集客するには条件があり、『店舗を良い印象で知っている』『集客施策の情報に触れる』『その情報に興味関心がある』という条件が揃って集客することが可能になります。

逆の言い方をすれば、「店舗を悪い印象で知り、集客施策の情報に触れる機会が無く、仮に集客情報に触れたとしても興味関心が無ければ来店しない」ということです。

この段階から営業施策を考えるのが業績貢献型人材ですが、『集客⇒リピート』の確率を高めるのは、店内の営業施策に加えて『業績貢献型スタッフ』の役割となる“お客様が自店の台とつながる”活動まで実施してリピート確率が高まることになります。

毎日来店する超常連様であったとしても、「打ちたい台が無くなった」「楽しい台が無くなった」という瞬間から離反確率が一気に上がります。

新規ユーザーとして、遊技が出来る年齢になって来店したお客様でも、「なんか面白くない」「楽しい台が見つからない」となれば、新規ユーザーからの早期離反につながります。

ホール商売の基本は“お客様と台のつながり”で、いかにハマれる機種とつながるかが基本であり重要な店舗課題になります。

業績貢献型スタッフは“お客様と台のつながり”をサポートする役割がある

店内を巡回してトラブル対応や接客をするだけでなく、“お客様と自店の機種をつなげる”活動が出来れば、自店へのリピート率を高めるので業績貢献活動になります。

お客様が機種と“つながる”というのは、自分が求めていることを満たす価値がある機種が見つかり、実際に「面白い」「楽しい」と思える状態です。

そのような機種がレパートリーとして数機種あればリピート率は上がり、離反確率は下がります。

また、長時間遊技をするときのレパートリー機種のつながりがあり、更には短時間遊技のレパートリーや、お財布が乏しいときに遊技出来るレパートリーまであれば、お客様の懐事情や遊技出来る時間の状況に合わせて、来店してくれる確率も高まります。

機種に詳しいユーザーさんは自ら“台とつながってくれる”のですが、そうでないユーザーさんが『台となかなかつながらない』状態になれば、お店に行きたい気持ちも薄れて来店回数が上がらないどころか離反確率だけが高まっていきます。

業績貢献型スタッフの役割は、機種に詳しくないユーザーさんの“台とのつながり”をサポートし、その活動を通じて『自ら好みの機種を探せる』ようにすることが目的になります。

業績貢献型スタッフが“好みの台とつながる”サポートをするための準備

では、業績貢献型スタッフが店内で“お客様が好みの台とつながる”ようにするためには、店内の営業施策をどのように整える必要があるのでしょうか。

パチンコやスロットを自分でも遊技するスタッフさんばかりではありません。

「まったくやったことがありません」というスタッフさんもいます。

まあ、まったくやらないスタッフさんには、パチンコやスロットの基本的なスペックなどは知ってもらう教育が必要ですが、どんなものか、どんなタイプがあるかが分かれば業績貢献型スタッフの役割は実施できるようになります。

そこで、“好みの台とつながる”サポートをするための準備は『店内プロモーションの方法』を“価値提案型プロモーション”にしていくことです。(価値提案のプロモーションに関しては、過去のコラムでも書いていますので参考にしてください)

大きく分けて、
①機種の訴求ポスター
②コーナー入口のコーナー訴求ポスター
③台上の機種ポップ
を、業績貢献型スタッフがお客様とポスターや機種ポップを見ながら、機種の打ちたくなるポイントを会話することが出来る『価値提案型プロモーション』に変えます。

≪機種ポスター≫の価値提案型プロモーションとは?

機種名だけで遊技意欲を高められる機種であれば良いのですが、機種名だけではなかなか遊技意欲は高まりません。

メーカーさんが展示会で機種の説明をする際も、ホールの皆様が「この機種は良さそう!」「面白そう!」と思うようなプレゼンをすると思います。

その際には、その機種のポイントとなる特徴を話してくれます。

同じように、『機種名+3つくらいのポイント』を、お客様の価値視点で表現するのが価値提案型プロモーションになります。

[e北斗の拳11暴凶星]であれば、『機種名+RUSH突入約61%+初当り1500~4500+RUSH継続率約75%+RUSH中は大当りの約50%が4500~6000!』というポイントが入っているポスターにすることです。

※ポイントは機種の特徴によって何を盛り込むかは検討が必要です。

CFYさんのフダポスでも、このようなポスターはダウンロードできます。

≪コーナー訴求ポスター≫の価値提案プロモーションとは?

ボックス、一列、半列など、複数台でカテゴリーが作れる場合は、その機種タイプの特徴をコーナー入口で訴求する方法になります。

例えば、デカスタコーナーというコーナーを作った場合、デカスタの価値認知がなければネーミングだけでは遊技意欲を高められません。

デカスタ機種で確率帯がバラバラの場合でも、『デカスタ+回転効率アップで短時間勝負!?+夜からでもワンチャンス!?』という感じの価値提案ポスターで訴求します。

※表現方法はコーナーの特徴で工夫が必要です。

ジャグラーなどの定番機種でも、『シンプル+光ればチャンス!+分かりやすい!』という価値提案ポスターで訴求することで、ジャグラーを知らない人でも遊技意欲を喚起することが可能になります。

ジャグラーは誰でも知っているというのは業界人の思い込みで、定番機種ほど丁寧に価値提案をし続ける必要があります。

吉野家の牛丼、永谷園のお茶漬けなど、超ロングセラー商品ですが新たな世代を獲得するために、定期的に継続訴求をし続けています。

≪台上の機種ポップ≫の価値提案プロモーションとは?

台上の機種ポップは、私が発案したものでおすすめするものは<大当りフローポップ>ですが、最低でも『機種名+通常確率+高確率+突入率+継続率+初当り出玉と割合+RUSH中の出玉と割合』は必須です。

更に、RUSH中はロングSTなのかショートSTなのか、何回転のチャンスなのかもあるとより価値提案のポイントが網羅できます。

スロットの場合は、『通常時+チャンスゾーン+AT中や大当り時の流れ』というフローが、価値を感じやすくなるプロモーションになります。

業績貢献型スタッフが≪お客様と台をつなげる≫活動をするには?

スタッフさんがお客様と会話をする際は、
①機種の訴求ポスター
②コーナー入口のコーナー訴求ポスター
③台上の機種ポップ
という店内にあるプロモーションツールを見ながら、機種のポイントなどの話をします。

1円の海を打っているお客様や、ジャグラーのお客様と会話をしたスタッフさんが話していましたが、超常連様なのに他の機種がどんなものか知らないということを言っていたと。

私のホール現役時代でも、初代ニューパルサーの超常連様が撤去と同時に来なくなり、外で会って話を聞いたら「他に打てて面白いと思う機種が無くたったから行かなくなった」ということを話していました。

超常連様が一人離反するだけでもお店にとっては大きな痛手になります。

このようなことが起こらないようにするのが、業績貢献型スタッフの重要な活動になります。

スタッフさんが①~③のツールを活用して会話をしていくと、2つのメリットがあります。
1つ目は、『スタッフさんが徐々にいろんな機種のタイプを理解するようになる』
2つ目は、『お客様が店内の販促物を見て、自分で好みに合う機種を探せるようになる』
というメリットです。

“お客様と台をつなげる”ことは、業績に貢献する重要な活動(仕事)になります。

おわりに

昨今、意図は分かりませんが台上ポップが無いお店や、機種名のみのポスターしか掲示していないお店も見られます。

シンプルにしてファンを増やせる意図があれば良いのですが、私はどちらかというと「販売促進(プロモーション)が無いお店は、無言で離反するファンを増やしている」と思っています。

「ネットで調べれば・・・」「台横に機種説明を置いているので・・・」「若い人は自分で調べるので・・・」・・・・・本当にそうでしょうか?

物事は白黒思考でなく、比率で常に考える必要があります。

自ら情報を得てくれるお客様の比率、受け身で情報を得るお客様の比率、更には人気の機種以外を好むお客様の比率など、多種多様な好みに対して、出来る限り『好みの機種が見つかる状況』を作るお店作りが今後も重要です。

【業績貢献型スタッフの重要な店内活動】は、“お客様と台のつながり”を作ることを最大の目的にして、更には“お客様とスタッフのつながり”など、お店に行くことが楽しみになる価値を沢山届けてリピートしたくなる要素を増やしていく活動です。

このような活動が店舗の土台になっていると、話題性のある機種が導入されてライトユーザーの方々も来店した時に、リピート率が高いお店として業績向上を積み重ねていくことが可能になります。

今年ラストのコラムになりますが、来年も重要な課題となる【業績貢献型人材の育成】と【業績貢献型スタッフの活動】は、引き続きコラムでも書いていこうと思います。

厳しい業界状況が長らく続いておりますが、そんな中でも楽しみにして来店して下さるお客様がいます。
そのようなお客様を増やすためにも、“お客様と台をつなげる”取組みを充実させて参りましょう!

本年もコラムをお読みいただき誠に有難うございました。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えください。

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武内 臣介

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武内 臣介
リスペクトマインド株式会社 代表取締役 武内 臣介
パチンコ業界に1989年から関わり、日拓では最年少店長で10ヶ月連続店舗表彰や最年少営業職などを歴任し、若手として数々の実績を出し、転職したホール企業では5年間パチンコ50000発、スロット18000枚を1ヶ月も下回らない実績を残す。

2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。

近年では、業界最大セミナーのJAPaNセミナーに毎年連続登壇し、受講者数上位講師としても活躍している。