いつもCFYコラムを御愛読いただきありがとうございます。船井総研 渡邊龍信です。
思ったよりもふるわなかった年末年始を終えて、今年の戦略策定に追われる日々かと存じます。2025年は、単に話題の新台を導入するだけでは生き残れない、店舗の総合力が問われる一年となりました。今回は、目先の売上だけでなく、中長期的な収益の柱をいかにして築いていくか、その多角的な戦略について提言させていただきます。
まずは12月の昨月、昨年対比
2025年12月売上は先月対比で
| 4円 | 107% |
| 1円 | 97% |
| 20円 | 104% |
| 5円 | 98% |
| 全体 | 102% |
でした。
また去年対比では
| 4円 | 106% |
| 1円 | 108% |
| 20円 | 112% |
| 5円 | 124% |
| 全体 | 110% |
という結果でした。
また年末年始の昨年対比ですが、
| 4円 | 112% |
| 1円 | 109% |
| 20円 | 115% |
| 5円 | 126% |
| 全体 | 113% |
という結果でした。
もちろん昨年対比では上がってるのですが、今年の状況からすると物足りない。12月のボーナス支給からの上がり幅が見られず、そのままズルズルと行ったという状況ですね。年末年始でなんとかという状況でしたが、途中経過はひどいものでした。11月と違い新台の反応は良かったのにも関わらずこの数字なので、市場客数が戻ってこなかった状況かと思います。また、スロットの客数のうち4%ほどが20円に流れてる傾向が局所的には出ていました。
主力機種の再定義と徹底強化
まず取り組むべきは、自店の看板となる主力機種の価値を再定義し、その魅力を最大限に引き出すことが必要です。2025年の当たり機種を多台数導入することに成功したとしても、正直V字回復ほど数字が上がっていません。それだけ機械はきっかけとなるにしてもそれだけでは何もならないということです。特に、今回から導入されるスマスロの人気シリーズ最新作は、地域最大級の導入規模となるホールも多く、2026年の業績を占う試金石となります。このインパクトを最大化するためには、導入日だけのお祭り騒ぎで終わらせてはなりません。導入前からシリーズ全体を巻き込んだ「おすすめ月間」を設定し、既存機も含めた一体的なプロモーションを展開することで、ファンの期待感を最高潮に高める必要があります。設置場所も重要です。詳しくは言えませんが、私は奥ばったメインの位置よりも、導線やぱちんこ、カウンターの近くなどに設置します。北斗のらしさを演出するためにも、シマ全体の稼働感を演出する戦略的な配置が求められます。なんせ3月まで機械がないので、ここの遅れが尾を引くことになるでしょう。
パチンコにおいては少し意味合いが変わってきます。12月に大量のパチンコが導入されましたが、今回の機械が寿命が長いとは思えません。メイン機種の台数を考える時代にきています。これはそのままPS比率や1円比率にも影響をしてきます。
今年1年をかけて、1円をきっちり上げることが出来た企業は自信をもって1円増台には踏み切れますし、20円増台でも可です。今年の規制も考えると、4円はかなり厳しいマーケットになりますね。
利益率改善の鍵は「リセットのルール化」と「甘デジ改革」にあり
集客と並行して、利益率の改善にもメスを入れる必要があります。特にスロットにおいて、リセットの有無は利益に直結します。リセット後にすぐ当たりが出てしまい、利益を圧迫している状況は見過ごせません。もちろん、仕掛けをする日の全リセは当然として、リセットすることによる朝イチ客を集客するには必要でしょう。
ただ、その朝イチ客は本当に「お客様」ですか?
リセットしてる台を片っ端から狙い、してなかったらすぐに帰る。そして焼け野原になったコーナーを常連客に打たせる。打つ気も起きないですね。ただの「荒らし」です。店舗ルールの厳格化や、リセット対応を見直さないといけません。対策として、売上が一定基準に満たず、かつ赤字となっている台については、リセットを見送るという判断も必要です。脳死でやっている店舗は今一度考える必要があります。
もちろん、プレイヤーの期待感を損なわないメリハリのある運用が大前提ですが、安易な勝ち逃げを防ぎ、店舗全体の粗利を改善する視点は不可欠です。
そして、もう一つの利益改善の柱が「甘デジコーナーの抜本的改革」です。高齢者層の憩いの場となっている現状から脱却し、新たな顧客層を呼び込む戦略的コーナーへと生まれ変わらせるのです。従来の「遊パチ」とは名ばかりの利益コーナーとなったイメージを払拭し、黒と金を基調としたデザインで「本気度」をアピールする。通路からでもスペックが分かるよう、A3サイズの大きな機種説明札を垂直に設置する。そして何より、実際にスタートを上げ、「ただの抜きコーナー」ではなく、遊技を実感できる状況を作り出す。これらの施策を通じて、甘デジコーナーの平均稼働を3,000発引き上げることは、決して不可能な目標ではありません。実際に、長く愛されてる甘デジやそうでない甘デジも、単純に「調整が悪すぎる」といったことはざらにあります。高齢だけでなく、甘デジでのツレ打ちができる空間を作っていく必要がありますね。これが達成出来ると低回転率の安定した利益基盤として完成します。こう思ったきっかけは次の章にあります。
今の4円ぱちんこはもはや夫婦で時間を潰すこともできない
私が大学生の時は5号機の中期でした。それこそ北斗転生などの時代です。
その時の彼女とのデートはスロットの抽選から始まってまして、引き子と打ち子をしてもらってました。それが今の嫁なのですが、12月頭にふと「子ども帰ってくるのに2時間あるし、久しぶりにぱちんこ打ちたい」って言われました。10年ぶりのぱちんこ遊技です。もはや遊技の仕方や保留なんかも忘れてました。お金を渡して、遊技をしました。私はラスト500円で突入して20,000発出たので結果は良いのですが、嫁の遊技終了は35分でした。35分で二人で2万負けるというのを一般の家庭ではなかなか許容できませんね。つまり今のぱちんこは遊技からだいぶ離れてきているように感じます。それなら1円や甘デジ打てよというのもわかりますが、そこはゴリ抜きゾーンであることを理解してるので、なかなかいけませんよね。私はLT3.0+の話題がでてきた時からコラムでも書いてますが、業績を上げるためには夜客やスロット客をターゲットとしたTS低めで突入率低めで夜からでも勝負できるターゲットにしぼるべきだと。つまりは平日昼間稼働を捨てざるをえない状況です。
甘デジがもっともっと販売されれば状況は変わると思うので、機歴はオール甘デジになってくれれば幸せになれるのになと思います。実際、機歴を付き合うときは、スロットか甘デジのみで行けるよう全力で交渉をかけていき、甘デジをしっかり強化しにいくように動いております。今動いている無料ぱちんこの流れもありますが、甘デジを搾取コーナーにせずツレ打ちコーナーになれればいいなと全てのホールに願いたいですね。
顧客体験を向上させる「環境」という投資
機械や設定といったハード面だけでなく、顧客の滞在時間を延ばすソフト面の改善も重要です。静まり返り、玉の音だけが響く店内では、顧客はくつろぐことができません。おすすめ機種のテーマ曲や、大当たりを連想させるアニソンなどをBGMとして積極的に活用し、店内に高揚感と活気ある雰囲気を作り出すべきです。また、販促物の品質にも徹底的にこだわる必要があります。色あせた放置自動のポスターや真っ黄色の指名手配のポスター、シワの寄った貼り合わせのポスターは、店のレベルを雄弁に物語ってしまいます。店舗の稼働が上がらない、新台はダメだという文句を垂れる前に、そもそも1万円を使う価値のある店なのか?から見直して行く必要がありますね。少なくともそんな状況の飲み屋に行くことなんて無いでしょう。
多角的な視点と実行力が未来を拓く
2025年は、これまで以上に多角的な視点が求められました。業績をV字で変えるほどの当たった機械は何がある?となるとL東京喰種以外ないですね。そのため、2026年はいつもより機械にお金がかかってきます。主力機種の見直しと徹底強化、利益率改善のための運用と行動の見直し、そして顧客体験を高める環境整備。これらの一つ一つを、高いレベルで実行していく必要があります。
計画を立てることは重要ですが、それ以上に重要なのは「実行」です。自社で出来ることを少しずつなんて悠長なことは言ってられません。業績を上げたい店に一気にヒトモノカネ情報を投入していかなければ業績なんて上がらないです。何か1つでもかけたら上がらない。なぜなら元々高いレベルでやってる競合が仕掛けてくるから。今回挙げた戦略の一つ一つを、責任者を明確にし、具体的なアクションアイテムとして落とし込み、愚直に実行していく。その積み重ねこそが、厳しい市場環境を乗り越え、2026年の成功を掴むための唯一の道筋となるでしょう。

