月刊グリーンべると(26年5月号)取材記事
2026.04.25
失敗しないホール企業のSNS運用戦略
人気VTuber「山佐ネクスト・虹河ラキ」さんインタビュー
- スペックや演出の伝え方の工夫:難しい用語はそのまま使わず、「ここで当たると気持ちいい」「この流れに入ったらチャンス」といった遊技体験のイメージに変換して伝えることを意識。公式としての正確さを前提にしつつ、ワクワクする部分を少し強調して見せることも大切にしている
- ファンからの反応で気づいたこと:「細かい演出や『気づいた人だけが楽しめるポイント』に強い反応が集まる」ことをセンパイ(ファン)の声から学んだ。ノンユーザーでも印象的な演出は意外と知られていることも実感し、それぞれの楽しみ方に寄り添える発信を心がけている
- ファンとの距離感で意識していること:近すぎず遠すぎず、無理をしない距離感を大切にし、ネガティブな話題を広げすぎないこともマイルールの一つ
- やりがいを感じる瞬間:「動画を観て遊んできたよ」と言ってもらえる瞬間。ユーザーだけでなく業界関係者からも「発信が実際に遊技のきっかけになった」と言われることがあり、何よりの励みになっている。コメントで一緒に盛り上がれた瞬間も「ちゃんと届いているんだな」と実感できてやりがいを感じる
SNSを「経営戦略」として取り組む重要性
- 「ご高齢のお客様ばかりだな」と感じている店舗関係者は少なくないが、現状のまま10年が過ぎれば、その層がそのままホール離れしていく未来は想像に難くない
- CFY代表取締役CEO・梶川弘徳氏は「SNSはホールにとって『やるかやらないか』ではなく『どう取り組むか』を考えるべき段階に来ている」と指摘
- すでにSNSに取り組んでいるホールも多いが、実際の集客につながっている手応えを感じられていないケースが多い
SNS運用がうまくいかない構造的な問題
- 「なんとなく始めた」まま組織としての方針がなく、担当者が変わるたびに発信の方向性がブレる、店長など個人が投稿するケースが多いといった構造的な問題が背景にある
- 会社が意図しない情報が広まってしまうこともある
SNSを「経営戦略」として位置づけることの重要性
- 梶川社長が強く訴えるのは「経営トップが旗を振り、会社としての方針を示す」ことがすべての起点になるということ
- 「とりあえずやってくれ」「よくわからないけど、とりあえず」という経営層では絶対にうまくいかないと梶川社長は言い切る
- 「SNSを経営戦略として会社ぐるみで取り組むこと」の重要性、さらに担当者の取り組みをきちんと評価する制度も整えるべきだと梶川社長は述べる。どれだけ熱心に投稿しても、それが評価に組み込まれなければ現場のモチベーションは続かない時代になっている
SNSは「Web上の接客」
- ホール業界のSNSといえば新台情報や出玉の煽りをイメージしがちだが、梶川社長は全く異なる視点を持つ:「XはWeb上の接客だと思ってください」
- ホールの現場で店長がお客様に挨拶したり会話したりするのは、ファンになってもらうためであり、SNSでも同じこと。発信内容と同じくらい「目的はファン作りです」ということをするためだと語る
- 告知画像と文章だけを淡々と投稿してもなかなか見てもらえない。人間味が出て、はじめてフォロワーが増え、ファンになってもらえる
アルゴリズムの変化を味方につける
- SNSをうまく使うには重要なのが投稿アカウントの「キャラクター設計」:どんな個性でブレず発信するかを最初に決め、それに続けることが愛着を生む
- 今年1月、Xのアルゴリズムが大きく改定され、一方的な発信よりも双方向のやり取りを生む投稿がより高く評価されるようになった
- リプライの返信ポイントが大幅に引き上げられ、「いいねだけでは1ポイントほどなのに、リプライの返信は約75ポイント」への理解も助けになる
- 「Xが『人と人とのやり取りを大切にしてほしい』というメッセージを出しているんです」と梶川社長は言う
- 問いかけを含む投稿でコメントを誘発し、来たコメントにはしっかり返信することが重要。この積み重ねがインプレッションを伸ばし、より多くのユーザーへの露出につながっていく
まとめ
- ただしこうした取り組みも、会社としてどうSNSを使っていくかを考える、次世代集客の第一歩に過ぎない(梶川社長)
- 今が動くタイミング。「ホール業界でSNSを組織として機能させているところは、まだほとんどない」
- 「SNS運用を経営戦略として位置付けること」の重要性——「SNSが得意な店長がたまたまいる」という状態と「会社としてSNSに取り組んでいる」という状態は、一見似ているようでまったく違う。個人の善意や自発性だけに頼っていては、どうしても長続きしない。会社の方針があってはじめて機能する
Web版:グリーンべると