2025.11.19

ゼウスの神言~年末商戦を迎えるにあたって【たばこ喫煙率】のお話

『パチンコ店での喫煙率は高い』と言う話を耳にした事があると思います。その点も加味して年末商戦におきて、遊技エリアでの【加熱式たばこの喫煙可能】と言う施策も多くの店舗で検討されていると聞き及んでいます。

そこで今回は、【たばこ喫煙率】に関して、まとめコラムしてみようと思います。

最初に「受動喫煙防止対策」のおさらい。

基本の法律としては【健康増進法】であり、その中において「受動喫煙対策の一環」として、2018年7月に改正され【2020年4月1日】から施行されることになりました。これにより、従来の「喫煙マナー」とされていたものが、一気に「喫煙ルール」に変わりました。

概要としては皆様も既にご存じの通り、「原則・室内禁煙」であり、例外措置として「喫煙室」の設置が求められ、同時に喫煙可能エリアの「20歳未満の立ち入り禁止」、「出入口に標識掲示の義務」が課せられる事になりました。

また別途一部の都道府県(例:大阪府)においては、「受動喫煙防止条例」が施行されているケースもありますので、ホールとしてはそのあたりのチェックも必要かもしれません。

現在の日本の喫煙率をチェックしてみる。

現状を把握する前に、改正健康増進法の施行前後の【全国の喫煙率】数値を確認してみましょう。

【喫煙率の推移】(※厚生労働省の国民健康・栄養調査)
 2019年・・・20歳以上=16.7% (男性=27.1%・女性=7.6%)
 2022年・・・20歳以上=14.8% (男性=24,8%・女性=6.2%)
 2023年・・・20歳以上=15.7% (男性=25,6%・女性=6.9%)※えっ!?増えてるぞ!!
※<参考>喫煙場所の調査では、遊技場は「8.3%」で、2019年の約1/3までに減少している。

改正健康増進法の施行当時、そもそも喫煙率は減少傾向であり、パチンコ店来店のお客様もたばこを吸わないユーザーの方が多いので、『禁煙の影響は極めて少ない』と言う意見や、『逆に来店機会のプラスに働く』と言う意見もありました。喫煙者の私としては、『必ずマイナスに影響する』派でしたが、まぁ現在に至ると言う事になります。

そんな話はさておき、気になる事が!・・・『喫煙率は増加傾向だそぉ~』

その詳細理由は分かりませんが、私が思うに「紙巻きたばこ派の人が一旦禁煙したが、現在【加熱式たばこ】で戻って来ているのでは?」と推測しています。

さて、この情報を更に掘り下げて【年代別】で見てみましょう。

男性においては、【ピークは30代】であり、【30代~50代が30%前後】となっています。
女性においては、【ピークは40代】であり、【40代~50代が10%超えている】となっています。

もしも「高齢者の喫煙率が高い」と言うイメージがあるのならば、そのイメージは払拭した方が良さそうですね。

このデータ情報を見た上で、現在『あなたの店舗のパチンコ・パチスロユーザーの年代層は何歳くらいですか?』と問いを投げかけてみたいと思う次第です。

【遊技場】における喫煙率などのくらいなのか?

※以下<参考出展>として「株式会社シーズリサーチ」社の公開資料を引用させて頂きます。

【遊技場における喫煙率】(※パチンコ・パチスロプレイヤー調査2024)
比較定義~【2024年一般成人の喫煙率=18.7%】
2024年・・・パチンコ・パチスロ遊技者の喫煙率は58.7%(※比較数値の約3.1倍)
(内訳)「20代=62.3%」「30代=64.8%」「40代=62.8%」「50代=21.4%」「60代以上=35.8%」

『パチンコ店来店ユーザー(プレイヤー)の喫煙率は高い』と言うイメージは、業界人なら皆が思っている事だと思いますが、結果は【全国平均の3倍!】と言う、ある意味驚愕的な数字になっている様です。

そして、【紙巻たばこ】と【加熱式たばこ】の内訳・比率をチェックしてみましょう。

まずは、全国の市場をチェックしてみましょう。

市場の販売本数の推移を見る限り、喫煙者は『明らかに「加熱式たばこ」に移行している』と判断して良いでしょう。

ちなみに・・・「当社推計によると2025年6月時点では、加熱式たばこのシェアは46%。都市部などすでに50%を超えている」(※JTたばこ事業本部RRP商品企画統括部長:談)と言う話があるようです。

更に、加熱式たばこの【年代別利用率】を見てみましょう。(※Google AIまとめ)

加熱式たばこの【年代別利用率】
「20代=57.2%」「30代=51.1%」「40代=43.7%」「50代=33.8%」「60代以上=27.7%」
※特に「20代女性」では60%を超えている)

こんな状況になっている以上、ホールにおける【品揃え】の問題も出て来る!?

若年層中心に、加熱式たばこの需要が増えるとなると、店舗における【品揃え】の問題も出て来る事は必至。

特に、加熱式たばこのデバイス本体の互換性が無い以上『替りになるモノが無い』事も当然の事で、ホールにおける加熱式たばこの種類は多種多様になる可能性もあり、対応は必須かと思います。

また、それがユーザーの「利便性=信頼度」に繋がる可能性も否定出来ません。

・・・と言う事で、加熱式たばこの【デバイスブランドのシェア率】もチェックしておきます。

加熱式たばこ~【デバイスブランド】のシェア率(2025年)
●「アイコス=55%」 ●「グローハイパー=23%」 ●「プルームX=16%」 
●「プルームテックプラス=2%」 ●「グロープロ=2%」 ●「その他=2%」

とりあえず【3強】ブランドの合計で94%を占めており、アイコスに至っては半数以上が利用している事になります。

ホールとしては、ユーザーの好みのたばこ銘柄がある事は、特に地元常連様においては「ホール選択動機の一部になる」可能性も完全否定は出来ませんので、在庫調整も問題もあろうかと思いますが、デバイス毎に「それなりの銘柄・種類の品揃え」は、店舗差別化の一役になろうかと思います。(私含めて、喫煙者の気持ち)

最後に・・・「加熱式たばこ喫煙可能」にした時の稼働変化について。

喫煙者の1日の喫煙本数が、仮に「20本」程度とすれば、遊技中のプレイヤーが「タバコ休憩」する時間は概ね「1時間に1回」程度と推測されます。

この「1回を5分」と想定した場合、新台導入・イベント時のフル稼働を想定すると「最大12回=60分間」の稼働停止となっている訳です。

これに対して【加熱式OK】となれば、その逆の「最大60分間の稼働アップ」が見込める事になります。

ホール全体としてのシミュレーションは、店舗状況により差異はあろうかと思いますが、現在好調と言われるパチスロ動向を考えた場合、満台ならば少なくとも「その50%」のプレイヤーの稼働が1時間分アップする可能性があります。

【1時間=800G(IN枚数2,400枚)】と想定しても、1機種フル稼働をした場合の平均値は【IN枚数1,200枚】のアップであり、そこに「コイン粗利」×「台数」×「営業日数」を試算するならば、とても大きな金額になる事でしょう。

(例):「1機種台数=10台」×「稼働上昇=800枚」×「100日」(土日数)×「C粗利=0.3円」=「240,000円」

さて、この数字を信じるのか?信じないのか?・・・それは、あなた次第です(汗)

※このコラムは、無料コンテンツに該当しております。情報共有可としますが、転載・改ざん等はお控えください。また、文章・資料等の所有権は、「有限会社トータル・ノウ・コネクションズ」に帰属いたします。

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ゼウス髙橋@TKC代表


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髙橋 正人
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長 髙橋 正人
1962年(昭和37年)4月29日、愛知県名古屋市に生まれる。その後、幼少期に長野県に転居し、20歳の時にパチンコ店勤務を始め、その後、「ホールスタッフ~店長職~本部長職」を経験し、「パチンコの運用・活用に特化したコンサルタント」として39歳で独立し現在に至るが、現在「業界歴最長クラスのコンサルタント」になってしまった。

有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
英語表記「Total Know Connections」の頭文字をとって、通称「TKC」として活動中。

現在、X(旧Twitter)アカウント【ゼウス髙橋】として、業界向けだけでは無く、ユーザーさん向けに情報発信を継続しつつ、フォロワー数=10,000人を目指している(汗