2026.04.01

粗利が取れない?機械を買った「だけ」で満足している?三位一体で戦う時代の「伝え方」

いつもCFYコラムを御愛読いただきありがとうございます。船井総研 渡邊龍信です。
暖かくなってきており、新年度でバタバタしている状況でしょう。聞き飽きたかと思いますがスロットは引き続き好調、パチンコは厳しい。皆様も肌で感じていることかと思います。

3月の売上動向

先月対比:

4P96%
1P97%
20S99%
5S99%

前年対比:

4P93%
1P97%
20S109%
5S110%

となっています。
スロット好調は維持ですが、前月比横ばい。4Pは年末の大量入れ替えは何だったのかという状況。

ある資料によると遊技参加人口は865万人まで回復していると言われています。パチンコ+2.8%に対してパチスロは+7.3%。年間平均費用も10万9,000円と前年から2万円以上増えている。残った人が多く使う構造です。新規を獲れていないまま単価だけが上がっている状況。本当に増えてる?って思うところもありますがそれは置いておいて、仮に遊技人口が増えてないとすると年間平均費用はさらにあがることになるため、より残ったユーザーに負担がかかっています。
このことから、粗利率が低い(もしくはそう見せてる)店舗がより魅力にうつるのは間違いありません。不景気と逆を行ってるのですから。

4円・20円スロット・1円、三つの役割を明確にせよ

4円パチンコの衰退は事実です。でも「終わった」わけではない。大型店でなく、大量入替もしてないのに前年比120%を超えているホール様に共通しているのは、バラエティの強化、コーナーへのテーマ性付与、ブランド化の三つです。床を赤と黒にしてカジノ風にする、専用の椅子カバーを作る、コーナー名前をつける等です。要するに、台数で勝負が出来ないなかで頑張ってるアピールをどのようにするのか?という話になります。一般的な小売も同様ですが、規模で負けるというのは圧倒的に不利になります。それでも選ばれるようにするために何をできるかが鍵になっています。名前があって初めて「あのコーナーに入れ替えが入った」という告知が成立します。名前のないコーナーはオススメや売りようがないですから。

スロットは集中投資の時代です。中途半端に両立させるのではなく、スロットで勝つと決めて集中したらしっかり結果は出てきます。ただしメイン機への依存はかなり危険です。例えばカバネリで薄利をできる理由を考えなければならない。メインで集客してバラエティで利益を取る。もしくはこの逆。このバランスが崩れると次の機種が不発だったときに一気に崩壊します。当たり前のように聴こえるようですが、これができてないところが本当に多いです。
よく、「スロット利益取れてない」という企業の多くの悩みはここから来ますね。メイン→バラエティやサブメインへの流れができてなさすぎます。

1円パチンコを軽視して良いかというと、答えは明確にノーです。ある法人では1円80台でも月粗利600万近くを出しています。1円だから優先順位を下げたり、利益が出ないという思い込みは捨ててください。「全台少しずつ回す」のは「全台少しずつ死ぬ」のと同じ。海物語を1ボックスに集中して「ここはいつも人がいる」という空気感を作ること。低貸しは収益の問題ではなく、店舗の生態系を維持する装置です。高齢者を切るということは、店内の「人がいる感」を切るということです。もちろん海以外でもやりようはあるので、諦めず取り組んでいきましょう。

ここからが本題。「伝える」が欠落している

この2〜3ヶ月、複数の現場で同じ失敗が繰り返されています。「機械を入れたのに、伝えていない」。厳密には「伝えきれていない」。

1円にスマパチを大量導入した。数百万円の投資です。でもPワールドの告知は「やってはいる」という言い訳ができる程度、店内告知はどこにあるかがわからない。別の店舗でもバラエティ強化したのに告知ゼロ。これは機械の問題でも市場の問題でもなく、組織の問題です。
機械を設置することは施策の3割です。残りの7割は伝えること。特に1円のターゲットである50代後半〜80代には、PワールドもLINEも届きません。のぼり、チラシ、SMS。そしてSMSの内容も簡潔にわかりやすく。響く言葉は機械の名前ではなく、取り組みをしている内容です。ある店舗では、販売会の実施を全く告知をしておらず、聞くと「LINEでは昨日送った」という状況。購読者ならわかると思いますが、ターゲットに届いてない。こんなことが令和の今の時代でもあるのです。伸び代ですね!

少し別の話ですが、ある店舗で自動精算機を導入したら1円パチンコの業績が悪化したケースがあります。調べてみると、スタッフが減ってホールやカウンター、JCでの会話が完全になくなっていた。1円の顧客にとってホールは人と話せる場所でもあるんですよね。声かけを徹底させて休憩スペースを作っただけで稼働が2,000発戻りました。他に何もやってないのに。低貸し市場では人間的な温かみが最大の差別化要因です。効率を求めすぎて本質を見失ってはいけない。

まとめ:三位一体で「伝える」をルール化せよ

4円・スロット・1円の三位一体が生き残りの条件であり、「伝える」ところまでやり切って初めて施策になる。
コーナー新設したらPワールド更新・店頭告知・LINE配信徹底したクチコミを何日以内にやるか。販促物のチェックリストを作り、写真で報告させる。当たり前のことを当たり前にやるための仕組みを作ること。それが組織です。

全国のホール数は6,000店舗を切りました。10年前の45%減。でも残った店舗は残る力を持っている。機械を買うことと稼働させることは全く別の仕事です。まずは「伝える」のルール化から始めてください。
やっている!ではなく、伝わってなければ意味がないのです。ここはまだまだ伸び代だと思います。

渡邊 龍信
株式会社船井総合研究所 アミューズメント支援部 シニア経営コンサルタント パチンコグループマネージャー 渡邊 龍信
国立大学 理学部数学科卒業。国立大学大学院 応用数学科卒業。アミューズメント支援部新卒入社史上最年少でチームリーダーに着任から、最年少でグループマネージャーに着任。400台以上の大型スロット専門店立ち上げ実績は10件以上携わっており、スロット増台成功実績は40件以上、多数の20円スロット業績アップ実績をもっている。直近2年間の高射幸機に頼らない増収増益方法を指導しており、20円スロットの業績アップの実績は、元スロプロで培った超ユーザー目線と、大学での数学の知識を駆使した数理マーケティングで「 高精度な 」時流予測とスロット機種分析によって実現している。