いつもCFYコラムを御愛読いただきありがとうございます。船井総研 渡邊龍信です。
梅雨入りも近づき、客足が天気に左右されやすい時期になりました。雨の日に数字を落とす店と、落とさない店。同じ商圏で、同じ機械を入れていても、この差は確実に開いていきます。今月は、その差がどこから生まれるのかという話です。
5月の売上動向(貸玉別 日売比率)
先月対比:
| 4P | 101.5% |
| 1P | 103.1% |
| 20S | 102.9% |
| 5S | 104.7% |
前年対比:
| 4P | 97.6% |
| 1P | 97.9% |
| 20S | 100.9% |
| 5S | 103.9% |
(※5月は前月より土日が2日多く、上振れしている点は割り引いて見てください)
数字を見れば構図ははっきりしています。スロットは前年水準を維持・微増、パチンコは4円も1円も前年割れ。遊技時間の比率で見ても、いまやスロット7・パチンコ3です。
でも、ここで「だからスロットを増やせば良い」と考えるのは早計です。同じスロットを同じだけ入れている店の間で、昨対プラスと前年割れがはっきり分かれているからです。
機械の差ではない。正直なところ、差は全部「運用」で生まれているんですよね。
今月はそこを4つに分けてお話しします。
「出している」のに、客に「伝わっていない」
ある中小ホール様(5店舗以下)は、今期の経営方針発表会で昨対130%という数字を出しました。この会社はスロットはもちろんのこと、パチンコでも結果を残しています。では何か特別な目玉新台を当てたのかというと、違うんですよね。もちろんメインも攻めた投資を行いましたが、それ以上にバラエティの強化に注力しました。
バラエティ機種1台1台でも強化をしていくことをしていかなきゃならないので、そういったお客様の目に見える形で伝えるようにしました。
出している事実は、伝わって初めて稼働になります。出しているのに伝えていない店は、せっかく作った出玉をドブに捨てているのと同じです。
「 甘く動いてしまった 」と嘆くことなんか誰でも出来るんです。ならそれを次の稼働にどう繋げるかを考えるようにしないと損ですね。
設定は「入れる」より「並べて見せる」が9割
設定を入れているのに数字が伸びない、という相談をよく受けます。調べてみると、たいてい設定を”バラ撒いて”いるんですよね。1台ポツン、また1台ポツン。これではお客様は気づくわけがありません。
私が特に長年実施してることは、設定は必ず並べて投入することです。点ではなく面で見せるイメージで毎回つくる。そうして初めて「この店は設定がある」と認識されますし、出てる台の横を敬遠することがなくなります。
特定日や集客日に店長はなるべく休まず、お客様の同行を見ましょう。そこに全ての答えがつまってます。
「告知した」と「伝わった」は、全く別の話
これは前回のコラムでも書きましたが、何度でも言います。販促物は出してるから完了ではなく、集客してなかったら何の意味もありません。常連への事前告知と、2週間前からの告知で、お客様を当日「連れてきた」からです。期待値は当日つくるものではなく、数週間かけて育てるものなんです。
逆に、最もやってはいけないのが販促物の放置です。「放置自転車を取り締まっています」のポスターが色あせたまま貼られている店に、わざわざ行きたいと思う人がいるでしょうか。
告知チャネルも、客層で分けてください。PワールドもLINEも、高齢の1円客には届きません。のぼり、団地へのチラシ、SMS。届け方が違う相手に、1枚の販促物で全員に届かせようとしても無理な話です。見る人の目線は、客層ごとに全部違うんですから。
そして4円は、まず「回す」こと
最後が、一番地味で、一番効きます。4円が前年割れし続ける店は、ほぼ例外なくスタートを締めて、ベースで利益を取りに行っています。客は1,000円で10回しか回らない盤面を見て、黙ってスロットへ歩いていく。「回らないから打たない」を、店が自分の手で作っているわけです。機械を買って、売却を合わせて実行し、きちんと回すと言った店だけが、4円を前年比プラスに戻している。これが、いま4円で勝っている数少ない店の正体です。
追い風も来ています。メーカー側も、最低18〜20回転を保証するフェアスタート装置や、新たな取り組みをしてきます。ただし、土台が回っていなければ、どんな新台を入れてもただの不良在庫です。まずは自店のスタートとベースを、数字で見直してください。
まとめ:業績は「機械」ではなく「運用」で決まるけど、、、来年は?
何故ここまで集客という言葉にこだわるか?
もちろんスロットでは必要ですよね。しかし、パチンコも必要な時代がやってきます。新しい動きを見据えずに、集客をサボっていると、パチンコまで一気に取られていきます。
スロットでも集客出来ないのにパチンコで集客出来るわけありませんよね。来年以降を見据えて、スロットだけでも完了させていきましょう。昨対130%は、機械でも立地でもなく、出している事実をちゃんと運用と告知で数字に変えているかどうかで決まります。出玉を伝える、設定を並べて見せる、一点突破で武器を作る、告知を前倒しで育てる、4円を回す。どれも、新台も多額の投資も要りません。
あるオーナー様が経営方針発表会で掲げた言葉が、すべてを言い尽くしています。「業績差は、戦略より実行力の差」。知っているかどうかではなく、やり切ったかどうかです。
厳しい時代だからこそ、当たり前のことを当たり前にやり切れる店が残ります。

